
2021年度 神奈川県精神障害者家族住民交流事業 事業報告書
1、事業名: 第47回 精神保健福祉「県民の集い」
2、日 時: 2021年11月21日(水) 13:30~16:30
3、会 場: 綾瀨市深谷中1丁目3番1号 中央公民館講堂AB
4、内 容: *開会式典
*講演 みんなで考える
『精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムについて』
講 師 藤井千代 氏
国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所
地域・司法精神医療研究部 部長
精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築支援事業広域アドバイザー
5、参加者: 97名
県内精神保健福祉家族、当事者、関係機関、団体、一般市民
6、その他の報告
式典では、当会理事長の挨拶の後、はじめに神奈川県精神保健福祉センター・所長山田正夫様のご挨拶をいただきました。又、ご欠席ではありましたが当地 綾瀨市・市長古塩正由様からのメッセージを代読させて頂きました。ご来賓の皆様は県行政及び関連団体から6名のご出席を頂き、講演にも最後までご参加頂きましたことには大変はげまされました。
コロナ禍での1年延期の県民の集いでしたが、綾瀨市をはじめ関係者のご協力を頂き、無事終了する事ができましたことを感謝してご報告いたします。
7、総 評
藤井先生の講演に関してはアンケートの回答でも非常に良かったという意見が数多く寄せられています。当日の配布資料に示されていた内容自体が難しいかと思われましたが、精神の問題を特別視するのでなく誰もが抱える生活の苦労の問題であること・精神障害の特性への配慮不足による問題であることが、講師の語りから自然と理解が深まるような講演でした。質疑応答も丁寧に対応され人の話を聴くことの大切さを学ぶ事ができました。
みんなで考える『精神障碍者にも対応した地域包括ケアシステム』は正に時機を得た内容で、これから私たちが地域で手を携えて取り組まねばならない課題であることを、それぞれの立場で背中を押され、温かく励まされるものでした。
当日は行政、福祉、医療関係の方々のご参加もあり、誰もが安心して住み続けることが出来る共生社会の実現に向けて、家族も当事者も共に進んで行きたいものであるとの思いを強く致しました。
2021年12月 日
神奈川県精神保健福祉センター
所長 山田 正夫様
所在地 神奈川県横浜市港南区芹が谷2-5-2
名 称 NPO法人 じんかれん
代表者名 理事長 谷田川 靖子
2021年度神奈川県精神障害者家族住民交流事業実績報告書
2021年度神奈川県精神障害者住民交流事業について、次のとおり実施しましたので、
関係書類を添えて報告します。
1 事業名 第47回精神保健福祉「県民の集い」
2 添付書類
(1) 実施事業概要
(2) 収支決算書
(3) その他(案内チラシ・当日配布資料)
2021年度第47回「県民の集い」アンケート
2021年11月21日綾瀨中央公民館にて
<回収59名/97名 (講師1 スタッフ31 来賓6 参加者59)>
1.年齢
(20代0人 30代4人 40代4人 50代7人 60代11人 70代25人 80歳以上8人)
2.立場
(家族44人 当事者3人 医療・福祉関係6人 行政関係5人 その他6人) 複数回答
3.市町村
(横須賀2人、大和7人、厚木7人、川崎3人、横浜3人、海老名7人、相模原7人、藤沢5人、綾瀬10人、伊勢原2人、二宮町2人)寒川町・茅ヶ崎・秦野・大磯町
4.本日の催しはどこから 複数回答あり
(じんかれんニュース15人 チラシ6人 家族会会員31人 家族会会報12人 その他6人)
5.講演内容
(大変良かった36人 良かった13人 普通2人 あまり良くなかった9人)
6.《講演について 学んだこと 考えていきたいこと等》
・概念と理念の理解と政策の具体的な確認が、共に緻密に学習していく必要を再度、強く感じた
・講師の対応(説明の仕方、質問に対する回答等)が良かった。
「個々の連携から地域全体の連携」は大変良かった
・「地域共生社会」について特に学ぶことができてよかったと思います。
包括的な精神障碍者支援のシステム作りがさらに進むことを願っています
・地域包括支援システムが、願ったものとなるよう声を行政にあげて行きたい
システムが血の通ったものになるように
・現在の状況、そうなった背景今後の見通し等「にも包括」の知識が増えました。現場から社会全体まで見えている藤井先生の説明には説得力があり、この内容をもっともっと多くの人に知ってもらいたいと感じました。
行政にできることを担当レベルでも考えながら取り組んでいきたいと思います。
・「にも包括」についてよく分かり、今まで抱いていた疑問点等が解消しました。
・本日の講演は行政の方に是非聞いて欲しいと思った。
・色々な施策が出てきていることはわかった。ただうまく一本化できないかと思う
・医療と福祉の連携はまだまだ不足しており、今後も進めていかなければならないと感じました
・藤井先生の講演を聞いて座間市のアウトリーチはやはり実践的だと感じました。
・個人としての生き方を支援する関係性を作るには、ひとりひとりの支援を丁寧にやる。
本人の強みをみつけだす。
医療と福祉、行政、地域がもっと連携して、社会参加ができるように孤立しないように生活支援をし、危機介入を少なくすること等を学んだ
・社会から特別視されている精神障がい者らが、地域で共生できる支援制度の充実を。
・医療や福祉、保健、教育などそれぞれががんばるのはもちろん大事ですが、それプラス顔がわかるほど近い連携をして、サービスを受ける人を全面的に支援する必要があることを学び、それをどうやって実現していくかも考える必要があると気づくきっかけになりました。
リカバリー=自己成長でもいいのではと思いました。できなかったことができるようになっているし。一人一人の支援ごとにていねいにしていく、それをスムーズにしていくことがとても学びになりました。
・「ひとりひとりの支援をしっかりしていく」ことの大切さを痛感。
足りないことを感じたら要望していくことが大切。(家族会の大きな役割)
・国の政策や法律が支援をスムーズに進めなかった事柄について知ることができました。医療と福祉の連携が進むことを強く願っています。介護と同じく精神医療に携わる医療従事者に対しての待遇が良くなることを要望します。
・現状報告・将来像はわかります。
地域の機関がチームを作って、患者のサポートをしていく環境造りを市町村単位でフォローできるように、県・国での支援の重要性を感じました。
・「にも包括」についての理解が深まりました。ありがとうございました。
・まだまだこの国は精神障がい者のケアは家族が担うもの、という考えが根深くあると思う。地域で当事者が暮らす為には、家族の頑張りだけでは無理なので、しっかりとシステムができないとならない。
・ほとんどあきらめている退院について、希望をもとうと思った
・たいへん我々のニーズに相応しい内容でした。講師のキャリア紹介を聞きまして、とても親近感を覚えました。そうこうしているあいだに、行政の動きもいろいろ進展があるんだということを知りました。ぜひきちんと学んでいきたいと思います。
・リカバリーに関するところが、回復するには重要であることを学んだ。本人の良い部分に目を向ける事が、回復につながりやすいと教えられました。悪い部分ばかりに目がいってしまう。
・にも包括の目的やシステムについてよく理解できた
・現状の実態がわかった。もっと声を出して国を動かせるようにしなければならない。しかし国の担当者は逃げているようにみえる。役所担当者が努力勉強する、行動する、必要がある。めんどうくさいことをさけているようにみえる。なかなか前進しないでたらい回し。
・資料も講演内容も良かった。女性の講師で身近で分かりやすかった。
・「にも包括」の理論、方針、考え方など理解できましたが、10年位前からみると患者さんが個別に相談ができる窓口がどこかわかりにくくなっている気がします。保健なのか福祉なのか、etc.結論としては、家族もですが当人たちが動ける構図や社会、サービスなど目ざす事かと考えます。
・「親無き後」「々」と念仏のように言ってきましたが具体的に動けませんでしたが。70代になって、本気で行動に移さなければと感じてきました。
全国統一で「にも包括」を実現してほしい。地域差が出ないでほしいと強く思います。
・ 精神障害に対する支援が必要であることを行政に届けていく努力をしていかねばならないと思った。診療報酬の改正も必要ならば、医師会との連携もめざしていくこと必要。
「にも包括」のめざすものがつかめた気がする
・“精神保健福祉法” 精神障害が別扱いになっている。地域住民が分かりにくい。今後の課題である。
・今後、世の中が暮らしやすくなるといいなと思いました。
ケースワーカーさんに話をしてみたいですね。
・現在の国・行政の方針実態の説明をいただき包括的に知識を得ることができました。
これからの問題点も分かりました。解決の努力を積み上げていきたい。
・包括システムでの保健所の役割や家族が必要としているものを聞くことができた
・その人(本人)が自分の生活・生き方をどのようにしたいのか、方向性がはっきりもてるように、いっしょに本人と考えていく事が大切(仲良くなり)本人と向き合った色々な視点を考えていく必要がある事が良く分り勉強になった。
生活を見ていく訪問看護等を通して本人の状況、その人の良い面を伸ばしていく。
・当事者の今後の事を考えていかなければならないので参考になりました。今は離れて親と暮らしている弟(52才)をゆくゆくは引き取るので。
・学んだことが多すぎました。
・行政では「にも包括」という言葉になっている。精神にもとふしぎな言葉でした
・現実問題として、今後の支援を受ける当事者としての問題が複雑で、中々困難な状況が重く受けとめられて大変さをひしひしと感じました。中々時間がかかる事柄が多くてフィンランドで実施されているアウトリーチは日本で定着するのはとても難しいことだと実感しました。
・ある程度薬の効きのよい普通に生活できる方のアフターケアのお話としてとてもわかりやすくよかったです。ピアサポーターなどケアラーの方の生活費の保障などもうまくいくとよいかなと思います。
・精神障がいと他の障碍とは法律が違うと知った.
だから要望がなかなか市の方へ申し出ても通らないのかなと思いました。職員が少ないと言われましたが本当にそうだと思いました。
・精神保健福祉法という精神の場合別の法律があるので問題があることに知らなかった。社会福祉法、現場の動きに添うようにしてほしい
・現在の精神医療の課題が良く理解できた。
・藤井先生のお話がとてもわかりやすく、最後まで興味深く聞くことができた。
人口減少、超高齢化社会が加速している日本の中で、ひとりひとりの特性や個性を生かしながら障がいを抱えた人もその家族も住みやすい社会になる為の何かお手伝いができれば嬉しいと思いました。(まずはスティグマの排除から)
《全体についての感想、その他お気付きのこと》
・内容はとても素晴らしく、もっと深く学びたいと思いました。何回かに分けてオンラインででも是非こういった講演があることを願っています
・精神科入院時に必要な物を無償で提供する非営利活動をしています。こういった活動もあることをぜひじんかれんさんの集まりでご紹介させていただきたいです。(詳しくはあやめ会の鈴木さんへお声いただくと話が早いかと思います)
・にも、にもと云われて4年が経過しました 精神障がい者にも対応した地域包括がNo 6
・実務者の立場で非常に問題点をつかみ参考になりました
・参加された方々から切実な質問、意見が多く寄せられている状況にも丁寧に藤井先生が対応されていて感心させられました。また行政の職員ももっと直接話を聞く機会が必要であると思いました。
・先生が質問に丁寧に説明頂いたのが良かった。
・ご家族の皆様は、とても熱心(真剣)であるとあらためて感じました。
・ひと昔に比べ精神医療が良い方向に進んできている事は大変喜ばしい事です。地域共生社会への実現に向けて、まだまだ長い年月がかかるとは思いますが、当事者の家族として意見を発信していく必要があると感じました。
・藤井先生はご家族に精神疾患の方がいらっしゃるとの事からなのか、国の機関の先生がよき理解者であるのは心強いと感じました。
《その他》
・精神科特例(1958年)を廃止して、医療費と医師看護費を一般医療と同じにして、入院治療と薬剤服用中心から地域共生社会施設を充実させることが必要です。
・このような勉強会に夫も参加できるよう頑張ります
・神奈川県は他県とくらべて遅れている部分があるので、警察、保健所、医療機関が連携を持って精神疾患者のリカバリーに力を入れていただきたい
・今日のお話は行政の方に特に聞いていただきたい。
・近所・友人・兄弟・親戚等いろいろの方に息子の様子を知っていただき、友人とバーベキュー等交わり楽しんでいる。仕事にも生きていけるようになってきているので個人だけで苦しんでいることは少なくなっている。安心の材料です
・よかったです。駅での案内,ありがとうございました。先生のやさしさを感じましたNo37
・コロナ禍の開催、お疲れ様でした。
・“精神障がいにも対応・・・ケアシステム”このタイトル、行政、地域分かりにくい。
どう進めていくか考えた方がよい。
・本人次第で生き方が主体的に満足できればよしとしたいと考えます。
・テキストがあり先生のお話も詳しく 大変参考になりありがとうございました
・お疲れ様でした。
・包括支援ケアが進んでいる自治体もちらほらあることがわかり、時間をかけながら少しずつ、状況を変えていくしかないのですね。
・法律の細かい部分、相談の人を医師に替えると地域にも受けいれやすくなるのでは
・問題点が多くて先が見えない
・地域支援が連携してその人に会ったサービスを組み立てていく
以上